The Three Degrees(2):まずは全盛期の3人の名前を覚える。

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まずはディグリーズ全盛期のメンバー3人の名前と顔を一致させて覚えるところから始まった。創立当初からのメンバーFayett Pinkney(1948・フィラデルフィア生まれ。以下フェイエット)、1966に加入したSheila Farguson(1947・フィラデルフィア生まれ。以下シェイラ)、1967年に加入したValerie Holiday(1947・ニューアーク生まれ。以下ヴァレリー)の3人である。情けないかなカタカナ名が苦手な私は、たった3人でも覚えるまでに2日かかった。


まずは日本語のWeb情報をサーチ。wiki日本語版以外で最初に読んだのはこのあたり。どれも全盛当時の日本での人気がうかがえる。時期としては1974〜75年、彼女達の年齢は27〜28歳くらいである。


全盛期の動くディグリーズをあれこれ見ていると、3人それぞれの個性がより感じられ、なにより力いっぱい歌っている姿にグッときた。お色気抜群(70年代的表現)なダブルセンターの一人シェイラ、キュート系でちょっと気が強そうなもう一人のダブルセンターのヴァレリー、ソロはほとんど歌わずコーラス専任だけれども華があり、時々「へ〜イ!」とかテンション高めの合いの手を入れるフェイエット。

どなたかがどこかで「力強いユニゾン」と表現していたけれど、ソロの部分ももちろん良いのだけれど、3人が一緒に100%で歌っているパートによって魅力が増しているように思った。私としては、女性目線からすると、当時のお色気路線はどちらかというとマイナスではあるけれど、見ていて歌が「カッコイイ」とも思ったのだヘアスタイル、メイク、衣裳などのスタイルが70年代っぽいところも…か。

そしてなにしろ歌いながらの振り付けが良かった。ビヨンセみたいなキレキレなダンスとは全く違うけれど、3人の息もピッタリで、さぞ練習しているのだろうと、またそこで感心してしまった。このあたり、この直後のピンクレディーにも大きく影響したのではないか。ちなみにすでにキャンディーズはヒットしており、ディグリーズもTVで「年下の男の子」を歌っている。歌の雰囲気はヴァレリーにピッタリだったが、レベルが違うので見ていて申し訳ないような気持ちもしたが。

ブレイク前までは、ナイトクラブで活躍していたようなので、その雰囲気をそのまま日本のお茶の間にまで輸出。そのナイトクラブでの活躍は、ディグリーズがカメオ出演している映画『フレンチコネクション』の冒頭でかいま見ることができる。これまたカッコイイ。

私の中では、歌はやっぱりシェイラ(いつもノリノリで楽しそうだが、意外とガハハ感あり)、素敵なのに控えめでなぜか気になるフェイエット(どこに彼女の声が入っているのか気になる)、シェイラには負けないわよ…という気合いがいつも感じられるヴァレリーは3番手…という印象になった。

松本隆のエッセイ『真夜中列車にハンカチ振って』(『エッセイ集 微熱少年』立東社)では「ステージ衣裳よりも大胆な部屋着の三人と狭い室内(東京プリンス)で打ち合わせた、その小一時間が人生最良の一瞬だったろう。」とまで言っているのだが、その中で「やはりシェイラは色っぽく、ヴァレリーはちょっとへそまがりで、フェイエットが一番女らしい優しさで接してくれたのをまだ鮮やかに覚えている。音楽的に彼女が一番しっかりしているらしく、練習の合間にしきりにコーチしていた。」とある。しかもかなり練習熱心でもあったらしい。この文を読んだのが熱中のきっかけでもあったのだ。

こうなると、1曲1曲誰がどう歌っているのかが気になり、アルバムを聴いたりYouTubeを見たりが続いている。凝り性なのだ。(冷めやすいが…)

そして…作詞安井かずみ、作曲筒美京平、村上“ポンタ”秀一のドラム、高水健司のベース、矢島賢のギターという強力歌謡曲チームが参加して日本語で彼女達に歌わせた「にがい涙」は、初めて聴いた時は「なんじゃこれ?」とキワモノ的に感じたけれど、日本のテレビ出演で楽しそうに歌っているところを見ているうちに違和感がなくなり、下手な歌謡曲の歌手より断然歌がうまいため、何度も聴くうちに好きな曲の1つとなってしまった。なにより安井かずみ歌詞もスゴいし、筒美先生の曲もイイ!(よく考えるとタイトルの「にがい涙」ってどんな涙だ?)

日本での人気が、この曲と松本隆プロデュース、細野晴臣のティンパンアレー演奏の「ミッドナイト・トレイン」の誕生となったわけだが、YouTubeにはフジレテビの「夜のヒットスタジオ」やNHKの「ビッグショー」に出演した時の動画もあった。

「夜のヒットスタジオ」に初めて出演した外タレだったそうで、再出演の際、西城秀樹ファン(?)のシェイラが、ヒデキに握手してもらって喜ぶシーンがあって面白かった。(この映像は最近アカウント消滅)ちなみに司会は芳村真理(小学校時代4年間、旧河北町の石巻市飯野川で過ごしたとか。確か私と誕生日が一緒)と三波伸介!「ビッグショー」では、なぜか藤村俊二とE.H.エリック(こちらは通訳代わり)が進行役。着物を着せられて日本舞踊まで舞うというすごい演出だったが、どちらも歌は生歌で口パクなし。すんばらしい。「年下の男の子」もビッグショーの中で見ることができる。

画像をあちこちから引用するのもアレなので、過去から現在までのたくさんの画像はOfficialサイトのGalleryで。

YouTube動画は著作権侵害が多いのでいつのまにか消滅してしまうが、関連映像は記録としてリンクを張っておく。

フジテレビ・夜のヒットスタジオへの出演
The Three Degrees(When Will I See You Again~Take Good Care Of Yourself)スリーディグリーズ「天使のささやき」JP TV Show㉒ - YouTube
The Three Degrees - Take good care of yourself (live) in japan 1975 - YouTube

NHK「ビッグショー」フルバージョン。
The Three Degrees (1975) - TV Special Japan - YouTube

フレンチコネクションのディグリーズ出演部分。
The Three Degrees – “Everybody Gets To Go To The Moon” (The French Connection) | INTO THE MILD

とういとで次回は全盛期の2枚のアルバム分析(?)マイフェイバリット曲の紹介の予定。(つづく)

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このページは、raizoが2022年4月22日に書いたブログ記事です。

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