石巻一箱古本市2023:くものす洞の一日

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今年の一箱

昨日の10月7日は、第12回石巻一箱古本市。今年で連続12回ということになりました。

前日は台風並の強風、朝はササーっと通り雨が降りましたが、だんだん晴れてきました。日中にわか雨の予想が出ていたのが多少心配で、一応傘も荷物に。8時半に受付会場の旧観慶丸商店の準備(そしてついでにカートを預け)→途中の道端でテントを張るのを手伝い→本部のまちの本棚へ。すでに助っ人さんたちが集まってきており、スタッフと助っ人さんたちのミーティング→再度旧観慶丸商店に戻って受付→そして出店場所の古書店「ゆずりは書房」さんの前に移動しました。

ここも今年の新スポットの1つ。この場所では3店の出店でしたが、私は日のあたる(とはいえ、最初だけというのは知ってましたので)、道路の向かい側のアーティストの志賀理恵子さんのアトリエ予定地の玄関前に陣取って開店です。


南陀楼さん。

もちろん古書店「ゆずりは書房」も古本市に合わせてお店を開けていただきました。ちょっと風がぴゅーぴゅー吹き抜ける中でスタート。比較的賑わうエリアに近いので、(昨年と違って…)朝イチから人が訪れ始めました。

最初に買ってくださったのは、自転車に乗り、石巻まちの本棚10周年の記念誌『本の教室はじめました』を売り歩きながら回る南陀楼綾繁さん。ここ数年一箱の時に作っているZINE(今年は『iPhone人(ZINE)』などをお買い上げいただきました。そのあとは、いつも来てくださる方や、地元の知りあい、東京からわざわざ来てくれた方も含め、押し寄せるほどではないけれど、絶え間なくお客様が訪れました。


久平文庫さん親子

同じスポットに出店していたのは、読書会で出会った3人(+1人)のユニット「陽の庭文芸堂」と、親子で参加の「久平文庫」さん。陽の庭文芸堂は終始みなさんでわいわいと、本のセレクトも良い本がたくさんありあました。久平文庫さんは、マニアックなセレクトなのですが、一緒に来ていた元気なお子さんがうちからも絵本を1冊買って、さっそくその場で朗読(?)してくれました。そういえば今年は親子で参加している店主さんが目立ちましたねぇ。

数年前までは絵本はさっぱり売れなかったのですが、近年はくものす洞の売れ筋になりました。ポイントは美品かどうか…ですね。やはりお子さんが手に触れるものなので。お子さんやお孫さんのために買っていかれる方、お子さん自身のチョイスなどなど。ラインナップはあくまで自然科学系絵本中心ですが、それでもそれなりに売れていくようになりました。

今年は、新刊・古書問わず積読本を1カ月に1冊以上は読む…という目標で、その読み終わった本も出しました。木山捷平の幻戯書房の本2冊もそうだったのですが、これは手に取る人も少なかったなぁ。 古本で読んだ山田風太郎の『戦中派不戦日記』と筒井嘉隆(筒井康隆のお父さんで、元天王寺動物園園長)の『町人学者の博物誌』は、セットで買ってくれて少しびっくり。売れると思わなかったので。でも「筒井康隆」も知らないそうです。う〜ん、そうかぁ。

これも売れると思わなかった、鹿島茂『神田神保町書肆街考』は、まちの本棚にも時々いらっしゃる方で、どうやら最近はゆずりは書房さんに通っているらしい古本好きのおじさまに。

最近読んだばかりの新しい本は比較的早く売れていきましたが、『牧野富太郎の植物図鑑』は、手に取る人は多いのだけれどなかなか買う方がなく、終了間際に値引きしてやっと売れました。みなさん植物画を立ち読みしたかったようです。ダメ元で出した里見弴は全然ダメ。去年の串田孫一とはやはり違いますな。

郷土宮城の本は思いのほか売れていきました。お隣の東松島市に暮した東北民謡の父、後藤桃水の本を出していたのですが、桃水は親戚だというおじさまも。さすが地元です。娘さんがその話しを聞いてびっくりしてました。(同じような本を持っていたはず…とかでお買い上げはなしでしたが。)

午後からは、このスポットの助っ人さんが帰ることになっており、まあゆずりは書房さんもいるしなんとかなるかなと思っていたのですが、ゆずりは書房さんにどうしても今日いかなくてはいけない宅買いがあり、近くだから1時間程度で戻ってきますということで、かわりに古書店のほうのお店番もお引き受け。ということで自分の箱、古本市のスタンプラリーのスタンプ押し、ゆずりは書房さんの本のお会計(店主がいなくなったら、ぽつぽつ売れ出した)など、急に忙しくなりました。

クリスティー3冊そんなこともあって、トイレのためにIRORIに行っただけで他のスポットは全く回らず、本は1冊も買わず。そのかわりに、ゆずりは書房さんの無料コーナーでアガサ・クリスティーの文庫3冊。1冊は戯曲集ですが『蜘蛛の巣』というタイトルだったのでゲット。

今年の滑り込みはTwitterあらためXで交流のあった方が、Xにアップした私の箱写真をみて駆けつけてくれて、狙っていた本は先に売れてしまっていたのですが、残っていた郷土の本を買ってくれました。ゆずりは書房さんのほうがもっといろいろあるので、中にご案内し、ゆずりはさんでもお買い上げいただきました。

そしてタイムアップで16時。慌てて集計して値引きを忘れて本部に報告してしまったけれど、結果39冊21,000円の売上げでした。まずまずでございます。お買い上げくださったみなさん、来てくださったみなさん、ありがとうございました。

そして…片づけが終わってもまだゆずりは書房さんが戻ってこないため、急遽助っ人さんに応援要請。もうすぐに駆けつけてくれて、その場の片づけや、ゆずりはさんの店番までお願いして(みなさん本当によく協力してくださいます〜)、私は本部の仕事に急行。終わってもバタバタでした。裏方的には綱渡りの運営なのですが、手伝ってくださる助っ人さんたち、特に地元チームの方達に助けられています。本当にありがたいです。

最後は表彰式→片づけ→懇親会で全日程終了。始まる前にはもう一杯一杯でしたが、終わってみれば今年も楽しく過ごすことができました。次はもう少し段取り良くやりたいです。ではまた来年!

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このページは、raizoが2023年10月 8日に書いたブログ記事です。

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