片岡千歳『古本屋 タンポポのあけくれ』 (夏葉社):タンポポという名前のお店!

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夏葉社さんの新刊、片岡千歳『古本屋 タンポポのあけくれ』を読み終えました。今回は夏葉社さん初の函入りの装幀。繊細な表紙の本は、函入りですと本を痛めずに保存出来るからいいですね。

著者の片岡さんは山形県生まれで、ご主人と高知県で「タンポポ」という名前の古書店を営んでいらっしゃいました。ご主人を早くに亡くされ、こういったエッセイや詩を書きながら「タンポポ」を続けたいらしたそうです。

そして、この本は「タンポポ書店」から2004年に発行されたものに2つのエッセイを加えた夏葉社さんならではの復刊です。


「タンポポ書店」のことも、この本の元の本のことも全く知りませんでした。でもお店に「タンポポ」と名前をつけるなんてステキだなと思ったのが第一印象。そしてこの本の最初の一編がタンポポの話でした。

自分は日頃セイヨウタンポポはちょっと目の敵にしているようなところもあったけれど、タンポポは強い植物で、いい名前だという千歳さん。私もちょっと考えをあらためなくてはいけないかな。(少し脱線しました)

本との出会い、お店やお客様のこと、本のこと、古書展などの催事、そしてなにより亡くなられたご主人のこと。

古本屋さんをめぐる話しではあるけれど、千歳さんの暮しがちらりちらりと登場し、(最近は女性店主も珍しくはないのだけれど)女性らしい視点のエッセイでありました。古書店エッセイって男性視点が多いですしね。

きっと大好きな本が並ぶ空間で、お客様とのコミュニケーションを楽しみながらお店をされていたのでしょう。本を介したエピソードは本好きには特に心に沁みます。

古本屋さんが好きな方には当然のこと、本好きの女性の方におすすめしたいです。

ちなみに…タンポポならこちらの本がオススメです。(by くものす洞)

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