食道楽(上) (岩波文庫) 村井 弦斎 岩波書店 2005-07-15 by G-Tools |
おおよそ百年前の文章につき、文体もはなはだ古風なり。読み始めたる当初は、読みにくきものかと心配せざりしも、読み進むうち杞憂となれり。これは食べ歩きの本にはあらず。食にまつわる様々な講釈や、実際の調理法などを満載せり。美食本にはあらす。時代ゆえ西洋風の料理を礼賛しせること多し。必ずしも現代の常識と一致せざるも、当時の日本国民に向けた食の教育を目指すものと覚えたり。(と、こんな具合な文体です。)
なんとこの本には「食育論」という章があります。今「食育」という言葉を耳にすることが増えましたが、ここが原点だったのですね。「おいしいものを食べることは大切なことだ」というのが基本になっています。いろいろなお料理の調理方法も満載で、この小説(?)が人気があったのは、この料理の部分が当時のご婦人達に支持されていたのでしょうね。
実はやっと後半を読み始めたところですが、食の話もさることながら、大原君とお登和さんの行く末が気になります。『食道楽』の人 村井弦斎 黒岩 比佐子 岩波書店 2004-06 by G-Tools |
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