昨日の古書店散歩の続きです。
JRのお茶の水の駅を降り、駿河台下の文庫川村へ。ここは文庫・新書専門で、特に岩波の量が豊富なので、古本に目覚める前にも何度か利用したことがあります。ここで購入したのはもちろん岩波新書の松本信宏「ベトナム民族小史」と石井象二郎「昆虫学への招待」。どちらも山の下や棚の上の方にあったのを引っ張り出してもらいました。あとから考えると他店よりは値段が割高でした。でもなにしろ専門店で数が揃っているので、目的の本をあちこち探す手間が無いところが利点でしょうか。しかしこのブルーグレーの古い岩波新書...古くささがいいですねぇ。ひとりでうっとり。
靖国通り沿いの、小宮山書店では同じく岩波新書から沼田真「植物たちの生」とムーアハウス「文字の歴史」。私にとって「文字」も実は好きなテーマで、意味もなく5種類の書体の文字ばかり並んだ「活用5体 字づくし辞典」(確か100円)という古書を買ったことがあります。白川静の漢字本も何冊か読みました。漢字ばかりでなくアルファベットの起源も知りたいな...というのが購入動機。
そして同じフロアの自然科学の棚で見つけたのがマイケル・チナリー「クモの不思議な生活」定価では買わないけれど、古書価格だったら買ってもいいかなというところ。クモ本はとかくグラフや表が多いものが多く、「読む」には閉口するのですが、この本は挿絵満載でとっつきやすい内容。この本の並びに「ウニと語る―激動の時代自然を友としたある生物学者の生涯」という本があり、タイトルにかなりひかれるものがあったのですが、ウニにはあまり興味がないのでやめておきました。
明倫館書店では「キムラグモ―環節をもつ原始のクモ」という本も発見。本のスリップも入ったままだったので、どこかのお店の売れ残りでしょうか。いかにもあまり売れなそうな外観。この手の本は教育機関や研究機関でないと買わないのでしょう。でも私は買いますよ。「キムラグモ」(編みを張らない日本固有のクモです)と書いてあるだけで、なんだか私には素晴らしい響きに聞こえます。これを手にして、クモ本を集めようかな...と密かにコレクター魂に火がつきました。
神田古書センターの店先の100円均一では、保育社のカラーブックスからこの2冊。「武蔵野」は、昭和40年当時の武蔵野の様子がわかります。田舎の雰囲気にびっくり。「やきもの入門」の方は、もう1つのマイブームなので多少の勉強用として。
すると本の間から「近代日本の陶芸 巨匠十二人展」の入場券半券が出てきました。この本を見て勉強しながら見に行ったのかなぁ。古書ならではの楽しみもさっそく味わうことができました。
という具合に、合間でもかなり歩き回った末、最後の最後、もういい加減帰ろうかと思って通りかかった虔十書店の外に並べられていたのがこの林健一「サンドイッチ親父」。ちょっと前なら見向きもしなかったのですが、これは完全に岡崎氏の本の影響。表紙の絵もイイ感じですし、中を少し読みましたが、古さを感じさせない楽しそうな内容だったので買っちゃいました。
買った本が他店でもっと安かったり、逆に高くてひそかに喜んだり。悲喜こもごもいろいろありました。おかげで帰り道は荷物がかなりの重量に。古書店慣れしたおじさん達は、みな一様に「リュック」を背負っており、本がたくさん入っていそうな雰囲気でした。私はショルダーだったので、片側加重でちょっと辛かった...。やはり「リュック」が基本ですな。
古本道はまだまだ若葉マークですが、これまた楽しいお買い物になりました。
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