小林信彦「うらなり」

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うらなりうらなり
小林 信彦


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他の本に寄り道しながらの合間に夏目漱石「坊っちゃん」を読み終わり、本来の目的である「うらなり」もやっと読了。買ってからずいぶん時間が経ってしまいましたが、先に「坊っちゃん」を復習して正解でした。

この本、装丁が古風で素敵です。しかも最近の本にしては珍しく、グラシン紙でカバーがついています。ちなみに...なぜか私のサイトには「グラシン紙」というキーワードで訪れる方多数。探されている方が多いのでしょうか?(過去記事:now and then: グラシン紙

お話は、坊っちゃんに登場する「うらなり」先生のその後の人生のお話であります。うらなり先生から見た当時を振り返る部分もあります。この本を読んでいて、あらためてぼ「坊っちゃん」の主人公には名前がついていないことに気付きました。この小説でもこのことについては少々苦労の跡が見られます。それもまた楽しみの1つかもしれませんね。読んでいて、最終的に「坊っちゃん」の主人公が現れてくれないかなぁと思っている自分がありましたが、結局出演がなくて少々残念。(そのかわり山嵐先生が出てきます。)うらなり先生の印象も、今までは影の薄い存在でしかなかったのに、急に好感度アップです。

とにかく、うらなり先生の視点から小説を書く...という「構想」がなによりのポイント。軽くさらさらっと読めました。他の夏目作品の文庫本(主に岩波)も、古書店めぐりでだいぶ集まってきたのですが、ますます待機本がたまる一方であります。

坊っちゃん坊っちゃん
夏目 漱石


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