佐藤優「獄中記」

| コメント(0)
4000228706獄中記
岩波書店 2006-12

by G-Tools
この本、買ってはみたものの、おそらく2年近く、ずっと本棚に並んでいたままだったと思います。そうこうしているうちに、最近は文庫になってしまいました。

この本の前著「国家の罠」をブックオフで105円で買ったこと、氏の背任罪が最高裁で有罪が確定したことをきっかけに、やっと重い腰を上げて読み始めました。

外務省関連背任:佐藤優被告の有罪確定へ 最高裁上告棄却 - 毎日jp(毎日新聞)

私自身、過去のムネオ騒ぎで、佐藤氏に良い印象はなかったのですが、それなのにこの本を読んで見ようと思ったのは、大好きな米原万里の評価が高く、米原さんが病室への入室を許した数少ない男性の1人だったという話を聞いたからです。確かに最後まで読んでみて、佐藤氏に対する印象は大きく変わりました。(鈴木宗男氏への印象も含みます。)

さて、ここで言う獄中といっても、東京拘置所の独房での記録です。獄中とは思えないほどの思索に驚かされます。興味本位の拘置所生活については、ほとんど触れられておらず、当然ながら今回の事件のこと、国家のこと、ロシアやイスラエルを中心とした外交関連のこと、キリスト教のこと、哲学のこと...正直言って難しい話ばかりでした。それが500頁続きます。難しい話はちょっととばし読みしたりしましたが、興味深い話も多かったので最後まで読み終えることができました。

ちょうどこの拘置所に入っている頃に小泉政権が再選されているのですが、そのニュースを聞いて、今後3年で格差社会がやってくるということをズバリ予言しているあたりは、さすが分析官。他にもなるほどと思わせられる話がいくつかありました。

拘置所の生活を垣間見ることができるのは、多少献立の内容が出てきたり、持ち込める書籍の制限、購入できる文房具などの制限、食べ物の差し入れ、そして自分で買うことのできるもの...などの話でしょうか。ほぼ毎日のアイスクリームや果物など、少し当分は控えた方が良いのでは?と余計なことを考えたり。また、隣り合う独房には死刑囚がいたりするわけで、拘置所の現実もチラチラと出てきます。

大変失礼ではありますが、どうも悪者顔をしていらっしゃるので、どうしても一般市民の印象は悪くなりがちではありますが、最近はキリスト教関連の本も執筆し、獄中の思索生活の成果が次々と花開いているようにも感じました。今後の活動に注目したいと思います。

これをきっかけに初めて見た鈴木宗男氏のサイト「北海道を変えます 新党 大地」。選挙期間中なので更新は停止していますが、「ムネオ日記」を自ら(だと思うのですが)しっかり書き続けているのを読んで、少し驚きました。なかなかここまでできないです。

北海道を変えます 新党 大地

 

コメントする

アーカイブ

子規の一句

鮟鱇の口あけて居る霰かな

このブログ記事について

このページは、raizoが2009年8月26日に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「高村薫「太陽を曳く馬」」です。

次のブログ記事は「もうSnow Leopardは明日です!」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。