序文は日本のクモ学の歴史から始まり、概論として節足動物門の中でのクモ木の位置づけ、そして、新種や新属についての論文も含めた日本産クモ科の解説が概論として続きます。図鑑といっても、単純なクモの外観が載っているのではなく、検索に必要な顕微鏡レベルの各部の拡大図などが並び、かなり専門的な内容です。いわゆる「検索図鑑」ですから、種の同定に必要な検索ができます。
カラー図版も多少ありますが、巻末には「初心者のための研究手法」という章までついていて、採集や観察の簡単なガイドにもなっており、これからもっとクモについて学んで欲しいという、編者のメッセージが込められているようです。
まさに現在の日本クモ学の集大成。昆虫に比べてマイナーな世界ですが、これだけの検索図鑑が発行されたというたけで感無量。持っているだけでうれしいです。
クモ研究者ではないのですが、一(いち)クモファンとして、自分の知っているクモの項目を開いて「ふむふむ」と解説文を読んだりしています。
ちなみに...大好きなのは正統派のオニグモ。堂々とした円網に感動します。(この季節に多いジョロウグモは今ひとつ好きになれません。)しかしここ数年、私の周り(@東京)では見かけることが少なくなりました。朝には網をたたんでしまうので、夜でないと見つけにくいというのもありますが、それにしても...です。絶滅危惧種になったりしたら悲しいなぁ。
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