楽しみにしていた東京国立博物館で開催中の特別展「細川家の至宝-珠玉の永青文庫コレクション-」に行ってきました。いつものように年間パスポートで入館です!
本館前の大きなユリノキは、花が咲き始めてはいましたが、まだ3分咲きといったところ。見ごろは5月下旬あたりでしょうか。満開になっているところ...見たいなぁ。
今回は500円の音声ガイドも利用。全てではないのですが、ポイントポイントで元熊本県知事で陶芸家、現在の細川家当主、細川護煕氏の解説(白洲正子さんとのエピソードも!)もあります。
目白にある永青文庫は、気になってはいるのですが一度も行った事がありません。ですから細川家のコレクションは初めて拝見させていただきました。
さすが室町幕府から続く細川家。古文書・武具・和歌・茶道具・能面・書画・洋画と幅広いコレクションにまず驚きです。前半では細川家の歴史を辿りつつ、日本の伝統文化を感じ、後半では永青文庫を設立した細川護立氏の美術コレクターとしての人物像に迫る内容になっております。
まず印象に残ったのは、さすが古くから続く武家っぷり。山鳥の尾羽を束ねて頭のてっぺんに付けた鎧兜にも眼を引かれましたが、武将たちの書状が凄い。織田信長の自筆書状、豊臣秀吉直筆サイン入り書状・徳川家康の花押入書状などがゾロゾロあり、当然歴史的できごとを裏付ける文章や、藩に抱えていた宮本武蔵の書画もありました。現存する織田信長からの書状の保有数は、細川家が一番多いのだそうです。
小物では、文具好きの観点から素敵な布張りの懐中日記も気になりましたし、藩校だった時習館の資料として並んでいた、昆虫などの写生貼・当時珍しい植物標本、能の衣装で使う帯のかわいい刺繍なども気になりました。
後半の細川護立氏のコレクションは特に素晴らしく、どのコレクションも国立博物館に負けない素敵なものばかりで、大好きな刀関連の小物や書画にもうっとり。これまで書画にはあまり興味はなかったのですが、良いものは良いんだなぁ...と実感しました。横山大観など、まだ無名に近いころにすでに目をつけて購入していたのだそうです。中国陶器もこれまではあまりピンと来ませんでしたが、これも素敵なものばかりで驚きました。
護立氏が数多くコレクションしていた白隠(白隠慧鶴 - Wikipedia)の禅画も、ちょっと怖いけれどユーモラス。江戸時代にこんな絵を書いていた人がいたのか...と驚きました。
とにかく他にもいろいろあって書ききれず。まさに「珠玉」でありました。思っていた以上に良い特別展で、十分堪能させていただきました。阿修羅展や長谷川等伯展に比べるとかなり地味な印象ですが、会期は6月6日まで、特に美術品に興味のある方は是非!
ということで、本日の仏像は「愛染明王坐像」です!
コメントする