ふんちゅう記(9)奈良編。

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さて、奈良行きの旅の目的の1つは「フンチュウ」でした。もちろん、奈良公園周辺にたくさんいるニホンジカのフンがある...ということもありますが、奈良公園のバックに連なる春日山原始林は、信仰のために千年以上にわたって伐採が禁じられていたため、昆虫も含めてたくさんの野生生物が住んでいるのだそうです。そして、紀伊半島には青く光る瑠璃色の通称ルリセンチコガネ(オオセンチコガネ)がおり、この春日山にもたくさんいる...と聞いておりました。

そこで奈良で1泊した翌朝、がんばって早起きし、朝6時すぎに春日大社と春日山遊歩道へ向かいました。

実は、到着した日、奈良公園内の飛火野も散策し、鹿のフンもひっくりかえしてみたりしたのですが、フンはたくさん落ちているものの、フンチュウには全然出会えませんでした。なので、よけいに今日こそは...と意気込んでの出発です。

まずはホテルから奈良公園の中を歩いて春日大社へ。早朝の公園では地元の方がたくさん散歩をしています。春日大社も、早朝は地元の方が多い印象です。あちこち寄り道しながら歩いていたので、遊歩道の入り口まで1時間以上かかってしまいました。

春日大社の駐車場近くにある春日山遊歩道入り口に着いたのは7時半過ぎ。ホテルのチェックアウトをしていないので、10時までにはホテルに戻らなくてはいけません。あわよくば若草山頂上までいけたらいいなと思いつつ、なんとか行けるところまで行ってみよう...と歩き始めました。

遊歩道入り口の茶店が並ぶ辺りには、鹿も少しいましたが、朝早いこともあって山道に入るともう私しかいません。鳥のさえずりだけが聞こえる中を先に進みます。気温もそれほど高くなく、気持ちよく歩けます。しかし実はハイキングも久しぶりで、ちょっと早く歩くだけで息が上がってしまい、30分も歩いていない時点で沢の見える休憩スペースで一休みすることにしました。

オオセンチコガネ屋根のあるベンチで座ろうと脇道に入ったら、足元の積もった枯れ葉の上に緑色の丸いものが...いましたっ!オオセンチコガネです。こんなフツーにいるんですね。びっくりしました。あわててデイパックをベンチに下ろしてデジカメでパチパチ撮影していると、近くにもう1匹。いやもうこの時点で念願かなって感無量です。


春日山遊歩道ひとしきり撮影したあと、名残惜しいですが先に進みます。頭の中では、若草山のてっぺんはフンチュウ達のパラダイスなのだろうか...と妄想が膨らみます。

静寂の原始林の中をしばし歩き続けると、途中でやっと1人、降りてくる人とすれちがいました。私も春日大社に寄らずにさっさと登り始めればよかったかなと思いながら先に進みます。


オオセンチコガネ歩いている最中、2度ほど「ぶ縲怩vとオオセンチコガネが飛んでいくところを目撃。青緑に光っているので、すぐにわかりました。ここでまた感激。そして、若草山頂上まであと1.2キロ...というあたりまで来て、再び枯れ葉の積もった道の真ん中でオオセンチコガネ達を見つけました。ちょっと見た感じで周囲に5縲怩U匹はいます!


オオセンチコガネしかも、緑色のタイプの他、あきらかに色が違う青い瑠璃色タイプもいます!やったぁ縲怎泣潟Zンチコガネですっ。この場所では、交尾しているペアやフンを転がして運んでいる個体もいて、いろいろな生態を観察することができました。ここでも夢中になってデジカメで撮影。リコーのCX3でもそこそこ撮影できますが、こういうときに「一眼レフだったら...」と強く思います。

こちらはCX3で撮影したフンの玉を転がしている様子です。

そしてこちらは交尾中...
YouTube - 交尾中のオオセンチコガネ

オオセンチコガネ
最後は、飛び立とうと羽を広げている個体がいたので、飛んでいる瞬間の撮影に挑戦。


オオセンチコガネブレている風景の中の緑色の点がそれです。お粗末でした。


こんな具合に途中で何度もひっかかっているうちに、8時半を過ぎてしまいました。山頂まであと1キロ(遊歩道入り口から若草山山頂までは確か2.7キロ)のところまできて、ちょっと古傷の膝も痛くなってきたこともあり、心残りもありますが引き返すことにしました。これだけオオセンチコガネに出会えれば1つ目的は達成できましたし。

下山途中には、地元のハイカーの方や、若草山で働く方なのかバイク通勤の方とすれ違いました。オオセンチコガネポイントでは、彼らは道の真ん中を歩いているので、バイクにひかれてしまうのではないかと心配したり。

山を降り、再び奈良公園を抜けてホテルまで歩きましたが、途中の鷺池周辺の鹿フンでは、フトカドエンマコガネらしきものや、小さなマグソコガネ(種類不明)などにも出会えました。ポロポロしたフンではなく、少し山になっている新鮮なフンの中にいるのですね。ちなみに、ベンチで寝ているホームレスさん以外はほとんど人気がなく、あちこちの鹿フンをひっくり返している私を不審そうに眺めているのは、鹿達だけでした。

以上の
奈良で出会ったフンチュウ - a set on Flickr

春日山原始林はもちろんのこと、奈良公園一帯も昆虫採集は禁止です。ピカピカしたオオセンチコガネを捕まえたいという気持ちも無いわけではありませんが、元々標本用に殺してしまうのも気が引けるタイプなので、自然の中にいる姿を観察できれば本望です。心残りは若草山山頂まで行けなかったこと。次回までには是非、一眼レフを入手して、もう少し良い季節を選び、原始林の中を飛翔するオオセンチコガネを撮影してみたいと思ったのでした。

日本産コガネムシ上科図説 第1巻 食糞群 普及版

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このページは、raizoが2010年9月21日に書いたブログ記事です。

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