正岡子規 言葉と生きる (岩波新書) 坪内 稔典 岩波書店 2010-12-18 by G-Tools |
引用される子規の文章が難しいところもありますが、坪内稔典さんの文章は読みやすく、子規への思い入れも感じられます。俳句や短歌ばかりでなく、子規が学校で書いた文、漢詩なと、いろいろな文章が引用されているのも特徴です。子規の書いた様々な文書を通して、子規の生きてきた世界をたどる内容になっています。思っていたよりもさらっと読むことができました。
子規の宇宙 (角川選書) 長谷川 櫂 角川学芸出版 2010-10-25 by G-Tools |
そして、最後に長谷川さんの選んだ子規の俳句286句も良かった。その中に、「陸前石巻より大鯛三枚氷につめて贈りこしければ」として「三尺の鯛生きてあり夏氷」という句がありました。明治のその昔に、わざわざ石巻から子規の住む根岸の里まで、生きた鯛を贈ってくれたのはどんな人だったのだろう…と思いを巡らせました。
そして現在、文芸誌「新潮」1月号から、ドナルド・キーン氏が「正岡子規」の連載が始まっています。2月号は、英語が苦手だと自称していた子規だけれど、英語の出来は悪くなかった…という、アメリカ人らしい考察が新鮮でした。こちらは今後の連載の行方が楽しみです。
この1ヶ月で、ドラマも含めて、子規の死と3回も向き合うことになってしまったのだと、今これを書いていて気づきました。
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