宮部みゆき「おまえさん」

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10月に入って、なんだか全然読書ができていません。本を開くとすぐ眠たくなるという睡眠の秋になりつつあり。ちょっと雑誌やムックをたくさん買ってしまったのも一因ですが、電車で居眠りしつつやっと読み終わったのが、宮部みゆきの「おまえさん」(上・下/文庫版)であります。

この時代小説はシリーズ第3作。前に読んだのは…もう6年前でしたか!
ぼんくら→日暮らし→孤宿の人 - now and then

久しぶりに登場人物の皆さんに会えて楽しかったデス。今回は美少年弓之助さんのお兄ちゃん、遊び人の淳三郎さん(彼も今後の活躍に期待!)も登場し、弓之助さんとのかけあいをなんともほほ笑ましく感じたり、岡っ引きの政五郎さんとおでこちゃんの本当のお母さんのお話(ここではちょっとジーンとしてみたり)など、本編よりも1つ1つのサブエピソードの方を楽しんで読ませていただきました。

今回は何と言っても、不思議なご隠居様、本宮源右衛門さんが一番味が出てましたねぇ。本当はその親戚筋の町方役人の間島様が、本来は新しい登場人物、そして今回の話の中心人物としてクローズアップされるべきではあるのですが、どうも陰が薄い印象で、ご隠居様のほうが目立っていて、なおかつ面白い。お話のなかでもまだまだ長生きして、次回作でも活躍していただきたいものです。

それにしても…最近は文庫で上下2巻のパターンが多いですね。字が大きくて読みやすくはあるのですが、上巻を読み終わりそうな時に下巻も持ち歩かざるを得なかったりしてたいへんであります。出版社側としても、ベストセラー作家の作品が複数巻であれば、売り上げは倍…かなりの長編だと仕方ないとは思うけれど、ちょっと話しが間延びしているのでは?という部分があったりすると、引き延ばし策だったりして…と思うこともあり、なんだか姑息な感じもしないでもないのでした。

ちなみに…このシリーズを映像化するなら、主人公(?)の平四郎は、昔なら絶対に伊藤雄之助なんだけど…今の俳優だと誰かな。

 

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このページは、raizoが2011年10月21日に書いたブログ記事です。

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