なんと開通まであと3年半もかかるとは!JR仙石線の不通区間

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私が帰省する際には欠かせないJR仙石線。東日本大震災で津波で線路が流出。現在も高城町縲恂軏{間が普通のままで、その区間は代行バス。矢本縲恊ホ巻間は、これまで電車でしたが、ディーゼルカーが走っています。仙石線を使って仙台から石巻に行こうとすると、松島海岸で代行バスに乗り換え、矢本でディーゼルカーに乗り替えるという面倒なことになりますので、石巻に直行する場合は、バス利用が主流になっています。

その仙石線、このところ鉄道本を立て続けに読んだこともあり、いつまでほおっておくのかと思っていましたら、今日はこんなニュースが飛び込んで来ました。

河北新報 東北のニュース/JR仙石線の内陸移設着手へ 東名・野蒜の2駅、3年半で完了

すみませんね、このブログをいつも読んでくださっている方の99%は関係ないお話だと思うのですが、これはちょっと言わせていただきたい。

内陸移設の方向に進みそうだというのは昨年の時点でニュースにはなっておりました。
JR常磐線、仙石線の復旧ルート案が合意、一部内陸側に移設|日経BP社 ケンプラッツ

どうやら東松島市との合意がなされ、用地買収の時間も含めるとあと3年半かかるということのようです。線路を完全に一から引き直す区間はたった6キロなんですけどね。工期、どうにかならんのでしょうか。個人的には大塚縲恣喧シの間の海沿いのコースは、静かな奥松島の眺めを楽しむ事ができて大好きな区間であっただけに、安全第一とはいえ、非常残念に思っています。

何より工期が長いということは、その間に不通区間より先の交通事情や街づくりにも大きく影響しそうです。ただ、この結果は、線路の高台移転を容認した東松島市が決めたことでもありますから、東松島市の方がこの決定を歓迎しているならまだ救われるのですが…実際どうなのでしょう。東松島市は、最終的に仙石線が開通すれば、石巻市よりは仙台に近くてより有利ではあるのかもしれません。これは震災前からそんな兆候がありましたし。石巻市的には、どうしても危機感は感じてしまいます。そして石巻の駅前商店街だって、鉄道の復旧次第で今後の復興も大きく左右されると思うのです。なんだか取り残されてしまったような気持ちにもなります。

それでも100億円もかかるとは…。どうやら駅を2つ作るのにお金がかかるようです。仙石線はもともと単線の電車だったのですが、当面は電車じゃなくてもいいんですよ、つながればディーゼルでも。とりあえず元の線路跡に、線路だけ引いてディーゼルっていうのはどうしてもダメだったのかなぁ。元の線路でとりあえず復旧されるという方向で署名活動をされている方もいらっしゃいましたし、鉄橋も流されてしまった只見線だってもう復旧しているのに…。

先日、NHKで仙石線の被災した車両が修理を終えて再び仙石線を走っているという全国ニュースをたまたま見ていました。結局は震災感動秘話的なお話で、その時乗り合わせた専門学校生が、動き出したその車両に再び乗って、震災時の脱出劇を振り返るという内容でした。個人的に非常に違和感があったのが、全国ニュースであるにもかかわらず、仙石線の現状がほとんど説明されなかったことです。このニュースだけみていると、この女子学生は元通り石巻から仙台まで仙石線に乗って通えるようになりました…という結末のようにも見えたのです。その学生さんには「仙石線にも早く全線開通してもらいたいです」と言って欲しかったし、ご本人も当然そう思っていたと思うのですが、そのような発言は一言も出てきませんでした。ひょっとしてカットされたのかもしれません。JR東日本、美談だけを強調していてちょっとひどいなと思いました。

それが確か先週の話です。ちょうど鉄道本を読んでいたところだったので、なおさら敏感に反応したのかもしれません。

「鉄道地図 残念な歴史」と「震災と鉄道」読了 - now and then

そして昨日は昨日で朝日新聞仙台総局の記者の「被災鉄道 復旧、JR頼みでは難しい」という論説を読みました。三陸鉄道は赤字の三セクだから国の補助金がおりるが、JR東日本は黒字会社だから自力で復旧する必要があって腰が重いという話です。問われているのは、被災住民や自治体、鉄道事業者だけではなく、納税者たる国民の問題だというのが締めくくりでした。ただ、地元関係者でなければ関心も薄く、それもまた難しいことだは思っていましたが、そこにきてこの報道です。

JALもしかりで、今の日本の交通事業者は、国民のためにという考えだけでは経営が成り立たないのはわかりますが、首都圏の路線と採算性と比べられてしまうのはいかにも厳しい。

でも、まだ復旧の目処の発表があっただけ良いほうかもしれません。大船渡線、気仙沼線、石巻線、常磐線もまだ不通の区間があります。いつ全然開通するのかも、鉄道として復旧できるのかもわかりません。さて他の路線はいったいとうなっていくのか…つくづくこれからの鉄道のありかたにも考えさせらました。

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このページは、raizoが2012年1月26日に書いたブログ記事です。

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