近年の日本の経済成長は、大量生産大量消費によって支えられて来たわけですが、いつかこれにも限界が来る、まずはこんな話から始まります。消費資本主義は長く続かないだろうということなのです。日本ではそろそろその傾向が終わりに近づいてきている…と。そんな今の世の中を考察する内容になっています。この本では、これがこの度の東日本大震災と福島原発の事故に伴う復興の話ともからんできます。まあそのあたりはここでは省略。
やはりポイントは、この本の副題にもなっている「経済成長」から「縮小均衡」の時代へということでしょう。その「縮小均衡」の時代に必要なのが「小商い」的なということになります。
いきなり結論部分を引用させていただきますと、「小商い」とは「さまざまな外的条件の変化に対して、それでも何とか生きていける、笑いながら苦境を乗り越えていけるためのライフスタイルであり、コーポレート哲学なのです。」とのこと。確かにこれはこれからの時代の生き方に必要ではないかと思います。
ちょっと話はズレますが、私もお買い物は好きだけれど、一生そんな生活を続けられるとは全く思っていません。これから人口も減りますし、高齢者の割合が高まると、これからの年金生活者(年金があればまだ良いほうですが)の消費行動も弱まって行くに決まってます。1人あたりの年金は減る一方ですから。どのお店でも売れないと困るのはわかりますが、そんなにバカ売れしなくても、そこそこ生活できれば…という程度の商いが成り立つ世の中になって欲しいなと思っていました。(もちろん儲かることも必要ですよ。)
この本を読みながら、これからは、拡大路線を取ることで成長することに限界がくる…ということに備えておかないといけないなという意識は強くしました。そして著者の言うような「今までと違った新しい流れ」(特に被災地において…)を私も期待したいと思いますし、自分でもそんな流れを作れたらいいなと思ったりもしました。いろいろと考えさせられる1冊ですね。
さて、ミシマ社さんの本も、他にも読みたいなと思っていたものもあったのですが、今回初めて買って読みました。
鉛筆書きの原稿から作った「ミシマ社通信」や、なぜか2枚入っていた、やはり手書き原稿の読者カードのハガキ(そういえば最近これ、見なくなりましたね)、そしてちょっとクスっとするしおりなど、本編以外でも楽しませていただきました。次はミシマ社が出版した本ではないけれど、ミシマ社さんの本を読む予定。
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