長年のトールキンファンとしては観ないわけにはいかない「ホビット」の映画、やっと観に行くことができました。3Dはどうしても不安(眼鏡&斜視気味)なので、無難に2Dにしました。IMAXでも酔ってしまったことがあって、どうも3D映像は苦手意識ありなんです。期待の映画はしっかり観たいですし。
原作は、私には珍しく繰り返し読んでいる本なので、なおさら思い入れもあります。
お話は、美しいホビット庄からはじまります。このあたりは「ロード・オブ・ザ・リング」を見た方にはおなじみの風景でもあり。大好きなガンダルフが登場し、ドワーフ達が集まり始め、物語への期待が高まります。ドワーフは、思いの外へちゃむくれたドワーフが多かった(特にお年寄りの方々)のが残念でしたが、逆にトーリンはカッコよすぎるかもと思うぐらいです。キャスティングは、原作への思い入れが大きいと多少の違和感はどうしても出ますね。
さて、英国発のテレビドラマ「シャーロック」のワトスンを演じているマーティン・フリーマン。こちらは意外とすんなりと入ってきました。ちょっとコミカルな感じと英国風(いや風ではなく英国なのだ)な演技がイライジャ・ウッドよりもホビットらしくて好印象。ガンダルフも「ロード・オブ・ザ・リング」の時と比べると、少し肩の力が抜けて、茶目っ気たっぷりで楽しい魔法使いになってます。そりゃ、サルマンに対峙するのとオークやゴブリン、ドラゴン相手ではレベルが違いますしね。
お話が始まると、この先の冒険を想像して、もう最初からウルウルと涙目になること数度。アドベンチャー・ゲームのようなストーリー進行で話が進んでいきます。
なんと言っても圧巻(?)はゴラムとのなぞなぞ合戦と洞窟からの脱出です。本を読んでいてもそうなんですけどね。でも映画ですとまた違った驚きです。ゴラムのモーションピクチャーが「ロード・オブ・ザ・リング」の時以上に表情豊かでびっくりしました。
映画の終盤、オークに襲われるあたりで「確かそろそろワシが助けに来るはず」と思ったのだけれど、この時点でまだワシ達が出てくるところまで話が行っていない(確かこの話は岩波少年文庫でいうと上巻の方だったという記憶)ということに気付いてはじめて「あれれ?」
そうなのです。私はこのホビットの映画が3部作だなんで全然知らずに見に来ていたのです。上映時間が3時間近くあるし、てっきり今日はドラゴンを倒すところまで観られると思っていたんです。えぇっ?これで終わり!正直ショックでした。
あらためて公式サイトを見ると、次は今年の年末、さらに最終話に至っては来年の夏じゃないですか…。せめて上下巻にして欲しかったなぁ。エンディングまで3作だなんて待てないですよぉ。こうなると途中で投げ出すわけにもいかないし、なんだか映画制作会社に乗せられてしまっているような気分です。話は面白かったのにほんとに残念ですっ。
消化不良で来年まで結末が待てない方は、原作を読むしかないですね。岩波少年文庫も手軽で良いけれど、個人的には挿し絵のきれいな単行本をお薦めいたしますよ。
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