いろいろな切り口でお菓子が紹介されていて、筆者いわく「お菓子の箱を開けて、好きなお菓子を選ぶ時のように、好きなページを開けて、楽しんでいただけたらと思う。」とのこと。
いろんなお菓子の写真だけ見ていても良いですし、お菓子の町の手書きのお菓子マップもあり、お菓子にまつわるエッセイの分量も意外とボリュームがあり、各地の独特のお菓子がこれでもかと登場して、とにかく読んでいて楽しい!(ただ、たくさん紹介するためなのか、多くの箇所で文字が小さすぎたところが残念。若い人ターゲットだからなのかな。)
特に私は餅系が大好きなので、餅のところは目を皿のようにして読みましたが、高知の朝市でいろんな餅がずらりと並ぶ写真があり、そこではもうたまらなく餅が食べたくなりました。お餅ってすぐに食べないと固くなってしまうから、地元に行かないと食べられないんですよねぇ。高知に行くことがあったら(腹を空かせて)絶対いかねば!
桜餅が道明寺と長命寺の2種類あるのは知っていたけれど、その分布図が載っていたり、柏餅で使われるのは柏の葉っぱばかりではなかったり…。おなじみのお菓子にも新しい発見があります。
この本を読みますと、旅に出たらまず最初に町のお菓子屋さんを探して、未知のお菓子に会ってみたくなります。大きな寺社のある門前町や、古い城下町は、やはりたくさんのお菓子屋さんがあるようで、回り甲斐がありそうです。
ふるさと石巻にも、町中に小さな和菓子屋さんがたくさんあったのですが、震災で津波の被害に遭って廃業してしまったところも多く、あのお菓子屋さんがみんな残っていたら…といつも残念に思っています。でも再び営業を開始しているところもありますし、石巻独特のお菓子もまだまだ健在です。
でも、いまがんばっている全国のお菓子屋さんも、いつまでお店を続けてくれるのか心配でもあります。すでに廃業してしまって消えたお菓子もたくさんあるのだと思います。この本に紹介しきれないたくさんのお菓子が、日本全国にもっとたくさんあるのかと思うと、どこかでこのお菓子文化をもっと体系的に記録しておいて欲しいなと、つくづく思ったのでした。
そうそう、以前もご紹介したこちらの本、写真なしの紀行文ですが、地方のお菓子に興味のある方にはオススメです。
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