田中康弘「日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?」

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日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?

田中 康弘 エイ出版社 2014-03-25
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この本の著者、田中さんのマタギ本2冊はすでに読んでいて、どちらもとても面白かったので今回の新刊も楽しみにして読みました。

秋田のマタギの猟と食文化については、これまでの2冊を通して伝えてきた田中さん。今回は外に出て、全国にまだ残る、狩猟と食の文化を体験します。

礼文島のトド、高知のハクビシン、大分のアナグマ、宮崎のイノシシ、大分のシカ、西表島のカマイ(イノシシ)など…ハクビシンやアナグマまでも食べるのかとびっくりしました。

どの地区でも、最近は猟をしなくなっているあたりは共通しているのですが、どこでも外柔駆除」の産物として食されていることも多いようです。全国で増えすぎている鹿も、肉に需要があれば良いのですが、いくらジビエブームとはいえ、屠殺には手間もかかりますからねぇ。

一番印象に残ったのは、宮崎県の椎葉村での、ワンちゃんたちを使ったイノシシ猟。軽トラの荷台に乗って外のニオイや気配をさぐっているワンちゃんの顔がとてもりりしい。獲物を人と犬達で仲良く分け合うところもステキです。

肉(もしくは肉になる時)の写真や食べる時の写真など、写真もたっぷりつかわれています。意外にも、どの肉もとても美味しそうなのです。ゲテモノ食い的なイメージもあったのだけれど、とんでもない誤解でした。どの肉もみんな食べてみたくなるぐらいです。「猟」というよりは、たしかに「食文化」の本ですね。

そして猟をして食べるという文化、果たしてどこまで続くのでしょう。それもまた心配です。

狩猟の話は実は好きでよく読むのですが、なんだかとても面白そうなので、若い人ももっと挑戦してみても良いのではないかなぁ…と思ったりしております。

マタギ 矛盾なき労働と食文化

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このページは、raizoが2014年6月20日に書いたブログ記事です。

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