禿山さん(22):アララギ第4巻第4号

| コメント(0)

アララギ第4巻第4号

雜 詠
           湯禿山

年まけの物調ふるゆきかひのちまたのどよみ其一人われも

子期ゆきて伯牙のを琴耳なしとつるたゝまくもおもほゆるかも

朝さむみ床いでかてにいすくみて吾するいきの枕に氷れり

村里のどんどたく火のもゆらくに若き日のこひ一人ふふみぬ

學校に通ふわく子らあさ寒み刻み子足にまろどよもすも

水草うく渚邊靜かにて白かもめ夕月を斜めに浮きて居るかも

朝な朝な(繰り返しの「く」)なくみそさゝゐ看護するわが耳の門にきゝのさふしも

ふるさとの道のすがらに子らが遊ふ紙鳶手傳ふやむかし偲はゆ


「課題の歌」

課題『歸る』   柿乃村人(島木赤彦)選
                 湯禿山

かへり行く友の行ゑよ草はらのしげみにきゆる河とはろけし

門のべに立ちまつ人もあらなく影をたどきと夕かへるかも

☆☆☆

※50ページ 消息の欄に
「〜禿、胡、本、諸君の健在是祈り候。」とあり

☆☆☆

久しぶりの禿山さんである。

アララギの巻末には、他の短歌雑誌の広告も載っている。「心の花」には禿山さんも投稿していたようなのだが、なんと白蓮も「心の花」に投稿していたらしい。正岡子規も短歌を投稿していたそうだし、いつかその頃の「心の花」も読んでみたいものである。

コメントする

アーカイブ

子規の一句

花一つ一つ虻もつ葵かな

くものす洞広告

このブログ記事について

このページは、raizoが2015年1月16日に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「渡辺守「トンボの生態学」:しかし東大出版会の本は高い。」です。

次のブログ記事は「アップルの次のスペシャルイベントが2月24日という噂。」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。