馬場明子「蚕の城―明治近代産業の核」〜産業ではなく遺伝子の話。

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R0016891.JPG買いたい本(左の新東京文学散歩)があったので幸福書房へ行き、どうしても気になってしまって予定外で買ったのが右の本。お店の棚の中でも異彩を放っておりました。

「蚕の城」?今どき蚕とはどういうこと?サブタイトルからすると産業の歴史のようにも見えるけれど、パラパラめくるとどうも違う。

さっそく読んでみますと、長野県松本市にある稲核風穴という自然の冷蔵庫のような所から話がスタートします。しかもそれは昔の話ではなく現代の話。リスク分散の1つとして、この風穴に蚕の卵を保管しているのだそうです。(そもそも「風穴」の存在も気になります。)

近代化遺産を歩く 蚕種保管用としての稲核風穴

元々は絹産業の振興のために発展してきた蚕の研究が、やがて日本の遺伝子研究の中心となっていきます。おぉ、メンデルのエンドウ豆での発見を動物(=蚕)で証明したのが日本人だったのか!

後半は遺伝や遺伝子の話となり、蚕産業史というよりは、蚕遺伝学史というところ。しかもそれが九州大学が舞台であり、その九大に800もの遺伝子系統のカイコが維持され、古いものは100年も維持され続けているのだそうです。いや大変だ。この蚕の研究室が「蚕の城」だったようです。

産業としては過去のものというイメージがありましたが、遺伝学における蚕の役割がわかって、1つためになりました。知らないことを知るのは楽しいなぁ。

そしてなによりこんな思わぬ本に出会えたことに満足しております。

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このページは、raizoが2015年8月21日に書いたブログ記事です。

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