いつも楽しみにしている夏葉社さんの新刊が出ました。いつもように、下北沢の古書ビビビさんにてサイン本を購入。
山崎ナオコーラさんのエッセイ「かわいい夫」です。山崎さんの本は、実は一度も読んだことがなく、どんな小説を書かれているのか全然知らないという私ですが、表紙のチッチとサリー(みつはしちかこ先生!)の装画で、迷うことなく読むことにしました。
タイトルの通り、主にご主人がエッセイのネタではありますが、夫婦の日常のほか、ご自身の仕事のこと、ご両親のお話などにも及びます。
山崎さんお語り口から、どんなご主人なのかなと想像しつつ、妻から見た「かわいい夫」のかわいさが、読み進むにつれ、最終的にはわかってきたような気もしました。街の書店の書店員というご主人の職業が、本好きには特別に心に響くのかもしれません。
既婚者としては、夫婦ってまあそれぞれなんだよな…とも思ったり。お父さんが入院するあたりも、少し自分と重なって、ちょっとしんみりもしました。
サインには「多様性の肯定のために」という言葉が入っていました。それは夫婦の関係という意味もあるでしょうが、本の中には「少部数の本だって、多様性の肯定のために必要だ」というフレーズで登場します。
これ、まさに一人出版社、夏葉社さんの本らしい一言だなと、読み終わって感心しきりでありました。
チッチとサリーのような小さな恋の物語ではありませんが、チッチとサリーのように「いっしょにいられればそれでいいんだよね」というメッセージが伝わって来たように思いました。(ある年齢層にしかわからないですね、このニュアンス。)
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