夏葉社さんの新刊、山下賢二 「ガケ書房の頃」読了。

| コメント(0)

夏葉社さんの新刊、山下賢二さんの「ガケ書房の頃」を読みました。京都にあった、本物の車が突っ込んだオブジェ(そしてカメがいた)で有名だった本屋さんを始めた山下さん自身のお話です。

私は恵文社派だったので、ガケ書房には2回しか行ったことがありません。お店の印象は、ちょっと普通の本屋さんとは違うとんがった感じだなと思いました。店内にはたくさんのポスターや張り紙、チラシやミニコミ紙、CDなどの音楽関係や古本まで、都会的&若者向けな印象でした。いわゆるインディーズ的な感じですね。

そんなガケ書房を作った山下さんの子供の頃から、ガケ書房を閉店するまでのお話であります。先行でガケ書房閉店の後に開店したホホホ座で先行発売されていて、やっと先日一般販売が始まりました。私はいつもの古書ビビビさんで購入。

中身は終始落ち着いたトーンで、粛々とこれまでの話が語られます。子供の頃のエピソードも一筋縄ではいかないものでしたし、ガケ書房の開店に至るまでは青春そのもの。そして開店してからは、本屋さんを維持していくことの難しさなど、その時その時でどう思いながらのことであったのか、それが読んでいるとと伝わってきまます。

どなたかがTwitterで「読んでいてせつない」と書いていたのは、こういうことだったのかと。

京都のような都会であり観光地であり、たくさんの人が訪れる有名店でも、お店を続けることが難しかったという現実もあり、多少もやもやしたものも感じますが、現在はホホホ座で新たな展開をされていますから、これからの楽しみもあります。

山下さんも書いている通り、東京の通勤電車の中は、今や9割方の人がスマホの画面を見ています。スポーツ新聞も含め、新聞を読む人はほとんどいなくなりました。ハウツー本ではない本を読んでいる人を見ると、ほめてあげたくなるぐらいです。(先日、熱心に単行本を読む小学生がいて、えらいなぁと思って覗いてみたら、おさわり探偵なめこの図鑑でした…)

これからも本の魅力を伝えていきたいという山下さん。正直言って、読んでいてずいぶん変わった人だなぁとは思ったけれど、そういう気持ちには共感しました。

音楽の分野では、もうCDを通り越してデジタルなデータの時代に入ってきた反面、アナログレコードも復権しています。本というメディアはレコード以上に力を持っていると思いますし、そんな本を売る本屋さんに、私もまだまだ逃げ込むつもりです。

コメントする

アーカイブ

子規の一句

燕の何聞くふりぞ電信機

このブログ記事について

このページは、raizoが2016年4月23日に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「プリンス急死…(紫色のレコードも持ってます)」です。

次のブログ記事は「久しぶりに買ったオロナインH軟膏11gが金属チューブじゃなくなっていて驚いた。」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。