もう今やかなり前に亡くなられているので、お若い方にはさっぱり…かもしれません。私の中では「帰ってきたウルトラマン」に出てきた頭のいい人…というイメージでありますが、怪優という表現がぴったりな俳優さんの1人です。
岸田森さんの周囲にいた多くの方々のインタビューを中心にまとめられていますが、岸田さんが書いた、帰ってきたウルトラマンの中のエピソードの脚本まで収録されています。いろんなエピソードを読めば読むほど魅力的。ダンティなイメージもあるし、ちょっと怖い役のイメージもあるし…不思議な俳優さんでした。
何しろチョウを集めるのが子供の頃からの趣味なのだそうです。どこかでチラっと聞いたことがあったような気もしますが、これほど熱心とは知りませんでした。ちょっと想像できないようで、妙に納得もしてしまうような岸田さんという個性がまたステキ。本のタイトルが「不死蝶」なのも、そこから来ているようです。チョウ屋さんのお仲間の話もあります。
もう少しお酒を控えてくれれば、もっと長生きしてステキな演技を見せてくれたかも、演出とか監督をしていても全然おかしくなかったなぁ…とついつい考えてしまいます。ほんと、だいたいそういう方たちは早くに亡くなられるんですよねぇ。
ファンだった方は、すでに単行本当時に読んでいらっしゃることと思いますので、今回の文庫化を機に、ファンでない方(私も特段のファンというわけでもありませんでした)にも、岸田森さんを知らない方にも読んでいただきたいと思いました。
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