毎回楽しみに待っている夏葉社さんの今回の新刊は、装丁も手がけるグラフィック・デザイナーであり、作家でもある吉田篤弘、のエッセイ「神様のいる街」です。装丁はもちろん吉田さんご自身!幻の処女作も収録されております。
神様のいる街…とは、神戸と東京の神保町のこと。どちらも「神」の字が入っているからなのだそうです。神保町のお話の中には、もちろん古本屋さんと古本の話が出てきます。古本屋さんに行く話は、なんとも読んでいてその部分だけ別の楽しさがありました。
吉田さんが、上林暁の本を読みたくて古本屋さんを探し回るのですが、ある古本屋の店主さんに「上林さんの本は、みんな手放さないからね。(…以下省略)」というシーンがでてきました。これ、私が前に渋谷の中村書店で上林さんの本を買った時、お店のおばさんに言われたのと全く同じでした。少しデジャブな気持ちになりました。私もこのとき、何冊かあった上林さんの古本の中で比較的安い本を1冊だけ買ったはずです。確かに何度か行った中村書店さんで上林さんの本を見かけたのは、その時だけだったと思います。
そんな上林さんの高い古本を買うために働き始める吉田さん。でも働き始めると古本を探し回る自由な時間もめっきり少なくなってしまうことに少し迷いも感じるところでは、なんだか妙に共感してしまいました。
結局自分は「本」の部分に反応しているようです。
神戸もずーっと行っていないなぁ。いつかまた行きたい。
コメントする