リンドグレーン「リンドグレーンの戦争日記 1939-1945」

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「長くつ下のピッピ」が代表作のスウェーデンの児童文学者、アストリッド・リンドグレーンが、第2次世界大戦中に書いていた戦争日記。スウェーデン本国でも数年前に出版されたばかりのものです。


戦争日記といっても、リンドグレーン自身は中立国スウェーデンの働きながら子育てをしている主婦としての立場から、変化していくヨーロッパの戦況を自分なりに新聞記事の切り抜きなどをしながら記録し、なおかつ身の回りの出来事を綴ったものです。

あらためて世界地図をみると、スウェーデンはドイツと海峡をへだてて隣国も同然で、なんとか中立を貫いたとはいえ、ドイツの脅威は相当なものだったでしょうし、同じ北欧の隣国フィンランドは、ドイツのみならずもともとロシアとの関係も悪く、戦時中は大変な状況だったことが、リンドグレーンの日記にも何度も出てきます。

遠く日本の話も出てきます。北欧の国から、遠く東の果ての日本の戦争(批判的な意味で)にまで関心を寄せ、最後は原子爆弾が使われたこと、そしてそれが今後の世界にどのような影響を及ぼすのかまで心配をしていたことに驚かされました。

このように書くと、なんだか戦争一色の話のように感じられますが、半分は家族・家庭の話です。苦しい戦時下にあっても、子どもたちと少しでも楽しく過ごしたいと願っている様子は、このあとさくたんの子ども向けのお話を書くことになるリンドグレーンの出発点でもあったのですね。「長くつ下のピッピ」は、この日記の最後の方で誕生したのがわかります。ピッピは平和を願って作られたのですね。あらためて納得しました。

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このページは、raizoが2018年6月17日に書いたブログ記事です。

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