「松居直と『こどものとも』」

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ずっと読みたいと思っていたところ、地元図書館で4月の新入荷になっており、やっと借りることができました。


福音館の設立当初からの編集者だった松居直さんが編集長として長く携わった1956年創刊の「こどものとも」の、創刊号から149号までの1冊1冊について、自ら語ったものです。1冊1冊の簡単な内容紹介に加え、編集者としての当時の仕事を振り返りながら、「こどものとも」の草創期の様子が紹介されています。編集者として、子どもむけのお話を探したり、お話を書いてくれそうな人を探したり、この話にはこの人の絵が合いそうだ…とか、この人にぜひ描いてもらいたい…など、絵本編集者の先駆けとしての仕事ぶりが伝わってきます。

なにより、名作がたくさん生まれた「こどものとも」。「ぐりとぐら」「だるまちゃん」シリーズ「かわ」「かばくん」「おおきなかぶ」…などなど、読んだことのある絵本がたくさん登場します。「こどものとも」でデビューした絵本作家の多いことにびっくりしましたし、こんな人も絵本を出していたのか?という驚きもありました。

かこさとしさん、瀬田貞二さん、岸田衿子さん、村山知義さん、安野光雅さん、堀内誠一さん、長新太さん、田島征三さん、薮内正幸さん、朝倉摂さん、北杜夫さん、串田孫一さん、天野祐吉さん…。いやいやこれが1968年までの話ですからなおさらすごいです。「こどものとも」で初めて絵本デビューした方も多く、絵本作家を育ててきた功績は相当なものだと思いました。

この本は、そもそも「松居直の世界 全5巻」のうちの第2巻。第1巻の自伝も読みたいのですが、地元図書館にも、県立図書館にもありません。でもいつか読むぞ。

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このページは、raizoが2018年6月30日に書いたブログ記事です。

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