米原万里「打ちのめされるようなすごい本」

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米原 万里
文藝春秋 2006-10

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今年5月に亡くなられたばかりの米原万里さんの書評集です。まさに「打ちのめされるようなすごい書評」でした。

評判を聞いてオンライン書店で購入したのですが、荷物が届いて封を開けた時、本の厚みと紹介されている本の内容をパラパラと眺めて「この本、最後まで読めないかも...」と一瞬ひるみました。買っておきながら最初の数ページだけ読んで野積みになっている本も多数なのです。でも読み始めてみるとそんなことは杞憂に終わり、逆に私には珍しく一気に読了です。

内容は、週刊文春に、死の直前まで連載されていた「私の読書日記」と、米原氏が書いたほぼ全ての書評がまとめられています。

かつては1日に7冊読んでいたと...文中でおっしゃっているぐらいの読書家です。そういえば以前ご紹介したセンセイの書斎にも登場されていて、愛猫達に囲まれた息抜き読書が楽しそうでした。紹介されている本は、半分近くはロシア・東欧系の書籍が多いのですが、そればかりではない幅広い読書の片鱗をかいま見ることができます。犬・猫系の本、エッセイ、ミステリー、そして最後はガンを徹底的に研究するためのガンに関する本など。

ちょうど10年前の書評には、いじめで自殺する子ども達を憂える一文があり、あくまでも「いじめはなかった」とする学校の対応に憤慨している場面もでてきました。(10年経過しても全く変わっていない教育界にも驚きです。)

読んでいて、米原氏絶賛の本が何冊も出てくるので、あれもこれも読んでみたくなましたが、これから探して読んでみる楽しみが増えた...ということで素直に喜びたいと思います。面白そうな本のところに付箋をつけながら読んでいたら、付箋だらけになってしまいました。

そして...読後に、先日某古書店の100円均一で買うか買うまいか迷ってパス(100円で迷うな!というところですが...)した米原氏のエッセイ『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』を、やっぱり買えば良かったなぁ...と、ちょっぴり後悔しております。

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このページは、raizoが2006年11月29日に書いたブログ記事です。

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