以前から当ブログをご覧の方々はご覧になったことがあるかもしれませんが、もともと私は、石巻へ帰省するたびに、実家の庭や近所の草花や虫を撮影するのを楽しみにしていました。
一昨年の暮、昆虫撮影をやってみようとデジイチを購入したのですが、震災もあって撮影活動も低調になっていました。秋はトンボの季節ですし、カメラは重たかったのですが、今回は久しぶりにデジイチとマクロレンズを持って出かけました。
石巻への帰省2日目、朝から今にも雨が降り出しそうな曇天でしたが、自転車で南浜町へ。まず7月に見た市立病院看護寮裏の水たまりを見に行きました。私が前回見たのは、メダカではなくてボラの子どもだったかな…と気になっていたのです。
石巻のアルバム2012年7月:南浜町にメダカの学校誕生! - now and then
曇天で水中が見えにくいものの、よく見てみるとやはりメダカのようでした。まだ居ます!さすがにボラとメダカは見間違えなかった…。道路の反対側の水たまりには、体長が10cm以上はあるボラがいて、明らかに大きさが違います。ボラのいる水たまりは、下からボコボコと水が湧いていて、河口の水が噴き出しているのがわかります。そこからボラも湧くのかな?
その水たまりを見た後はさらに西へ。大きな水たまりがいくつもあるのですが、なんとその周囲にはガマが咲いています。
ソーセージのような部分が10cm程度で小さかったので、おそらくコガマと思われます。よくよく見回してみると、あちこちに群生していました。どんどん後背湿地に戻っているようです。湿地であったのは60年程前の話ですので、実はそれほど大昔の話でもないのです。
思わぬガマの多さに驚きつつ、雨もポツポツと降り出しましたので、早々に引き上げました。
この夏は石巻でも記録的な少雨で、河口付近では塩分の多い水が上流へ流れ込んだり、田んぼに塩害が出たりしていましたから、南浜町に点在していた水たまりは干上がっているだろうなと思ったのですが、思いの外残っていました。もう水たまりではなく池(おそらく汽水)になっているようです。
高台の上から見ると、単なる草ぼうぼうの空き地にしか見えませんが、実はいわばビオトープ化しているのです。当然少し海よりの方だけですが。
この地区ではたくさんの方々が亡くなっていますので、不謹慎かもしれないとも思います。でも盛り土された道路には普通に車が通り、観光バスもやってきますし、じゃり道の道路でも測量していましたから、一部の道路もさらに舗装されるのでしょう。
やがてここの宅地買収が進み、復興公園なるものの「建設」が始まると、つかの間の湿地も埋め立てられて無くなってしまいます。以前は住宅地でしたから、自然再生的な観点からは注目されることもない場所ですが、現在の様子が少しでも記録できれば、そしてただの荒れ地では無いということが伝わればと思っています。
そんなことを考えながら帰ったわけですが、翌日は暑いぐらいの秋晴れとなりました。長くなりましたのでこの続きはまた後日。
ちなみに最後の写真の手前にある鉄骨は「ささき書店」さんの跡地です。私は勘違いしてつい最近までセブンイレブン跡だと思い込んでいました。(すべて85mmのマクロレンズで撮影。レンズが汚れていてひどい撮影です。)
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