『定本 本屋図鑑』(夏葉社):図鑑らしいどっしり感。

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定本 本屋図鑑夏葉社さんから、過去に出版された『本屋図鑑』(2013)と『本屋会議』(2014)
を合体させ、なおかつ加筆した『定本 本屋図鑑』が刊行されました。

なにしろ2冊が合体したので、図鑑らしいどっしり感があります。表紙は私も大好き、紀伊国屋書店本店であります。そういえばここ、前川國男設計でお東京都選定歴史的建造物にも指定されていて、どっしりした建物でもありますね。


元本2冊刊行時の感想はこちら。

夏葉社さんの「本屋図鑑」+特別おまけつき。 - now and then
本屋図鑑編集部編「本屋会議」:街の本屋派が増えることを願う! - now and then

前半はたくさんの本屋さんが、得地直美さんの素朴なイラストと共に紹介されています。本棚のイラストでは、並んだ本のタイトルも書き込まれていて、棚の中身がわかるのでそれもまた楽しい!

あちこち旅行をして歩くタイプではないので、行ったことがある本屋さんは以前からあまり増えていませんが、チェックしてみると、Title・サンブックス浜田山・ブックスルーエ・三月書房・東京堂書店・往来堂書店・さわや書店フェザン店・金沢21世紀ミュージアムショップ…くらいかな。

2013年に読んだ当時と今では、自分が本を売る側の立場にもなったので、あらためて読み返してみると気になるポイントが変わりました。どうも客目線ではなく、いつもの偵察(最近、本屋さんに行く時の心構え)をしているような気持ちです。どんな棚になっているのかがなにより気になります。

自分は本棚1本分の販売スペースしかないので、その範囲で置ける本をどうしても厳選しなくてはいけないので、並べる本を選ぶのが一苦労。やっぱり本屋さんは本がたくさん置けていいなぁ、思いっきりたくさん本を並べてみたいなぁ…とついつい考えてました。

「本屋さんの歴史」「本屋さんの50年」「本屋原論」の章では、コロナ禍の現在までの話も加筆されていて、大変勉強になりました。

地元のお客様に求められて…というフレーズが、いろんな形でたびたび出てきて、果たして自分の小さな棚はどの程度求められているのだろう?と考えさせられました。どうみてもジャンルが偏っているからなぁ。なかなか全方位にはできず、ベストセラーを入れるとだいたい失敗するので難しい。本当は、多くの人に向けて、全方位的にしたいのは山々なのですが。

レコードだって今また復権してきているのだもの、紙の本だって無くなることは絶対にないはずだから、少しでも多くの人に本の楽しさ(あえて「本を読む楽しさ」とはいいません。眺めて楽しい本もありますし。手元にあるだけでうれしい本もあります!)を味わってもらいたいなと、狭小間借り本屋の願いであります。

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このページは、raizoが2022年7月27日に書いたブログ記事です。

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