26日に行われた「石巻一箱古本市2014」。おかげざまで無事終了いたしました。
今年は立町商店街の中ほど、高橋茶舗(高橋園)さん前で、仙台から出店の書肆落花生さん(着物男子!)と2箱並んでの出店でした。北向きの場所で、なおかつ川風も通るので比較的涼しく、快適に過ごすことができました。
最初のお買い上げは「忘れられた東北」。私が高橋園さんからテーブルを借りるべく店の奥に行っている間に売れてしまいました。これは意外な滑り出しです。
同じく早い時間にいらした若い女性。石巻では売れないだろうと思っていた「海野和男の昆虫撮影テクニック」(自分は新版を買い直したので出品)と「わたし、解体はじめました ─狩猟女子の暮らしづくり─」をお買い上げ。どうみても昆虫とは縁遠そうな方でしたので、どうしてまたこの昆虫撮影の本を?と聞いてみたら、虫は好きじゃなかったのだけれど、最近むしガールも話題になってるし、ちょっと興味があって…とのこと。ムシ、好きになって下さいね!
熱心に堅めの本を手にしてあれこれ悩んでいた男性には、手に取った本についていくつか質問を受け、宮本常一 山と日本人・「動物園の文化史―ひとと動物の5000年」・「メダカとヨシ―水辺の健康度をはかる生き物」など、これも売れないのではと思っていた本ばかりをお買い上げ。大きな袋を持っていて、すでにたくさん本を買っている様子です。聞くと蛇田から来たのだとか。地元の青年に本が渡すことができて、おばさんうれしいですよ。
今回の本の中で最も高く値をつけていた「津波災害と近代日本」。これも売れなければマーケットプレースに出すつもりだったのですが、これは杖をついた寡黙そうな70〜80代のおじいちゃんに。これも予想外。
本番直前に5冊セットで仕入れることができた新潮文庫の「赤毛のアン」シリーズ。20代の娘さんとご両親というご家族のお宅へ。お母様は「アンのゆりかご―村岡花子の生涯―」と「恋の華・白蓮事件」(これは村岡花子の本よりも面白かった)を。NHKの「花子とアン」にかなりハマっているご様子で、これを読めばこれからの話の先がわかりますよ〜とお声掛け。
「カバに会う―日本全国河馬めぐり」をご購入いただいた奥様は、俳句を詠まれるのだとか。著者の坪内稔典さんは私も好きですので「面白い句を詠まれるんですよね」という話になりました。ちゃんとネンテン先生がらみで買っていただけてウレシイ。
一昨年、初めて石巻で本を売った時、南三陸町(志津川)から来てたくさん買ってくれた若い女性、また買いにきてくれました。南三陸町には本屋さんはいまだ無いのだとか。数日前に天皇陛下が町に来た時の話などをうかがいつつ、「日本漁業の真実」ほか2冊をお買い上げ。今回もありがとうございます。
ちょっと見た目が汚かったのでどうかなと思っていた石ノ森章太郎のマンガ「がんばれロボコン」の2冊セットもすぐに売れました。せっかく萬画館があるんですからね。
昨年から売れ残っていた、私の子供の頃からの愛読書「星座を見つけよう」(科学絵本ですね)は、絵本とは縁遠そうな60代ぐらいのおじさまに。お子さん用ですか?とお尋ねしたら、「自分用だ」とのこと。「星座わがる人は、この星が並んでるだけでわかんだよな、おれはヒシャク(北斗七星ですね)ぐれーしかわがんねーけどさ。」と、星座に興味がおありの様子。この本、とてもわかりやすいので、すぐに空に星座が見えてくるようになりますよとお勧めしました。
高橋園さんのお隣の丹野精肉店さんは、お肉屋さんでありながら、野菜をとても安く売っていて、多くの主婦(比較的高年齢層)の皆様が朝早くからお買い物にいらしておりました。午前中はそのような方々(おばさま…ですね)のお立ち寄りも多かったように思います。
少し離れたところで出店されていた石井ゆかりさんの影響だと思うのですが、石巻外から来たと思われる若い女性もたくさん通って行き、そのせいか数少ない乙女系の本は、みな無くなってしまいました。
逆に「紙つなげ!」(日本製紙石巻工場の話)はすぐに売れると思ったのですが、関係者の皆さんには人気があったのですが、地元の人はあまり手にしなかったのが意外でした。
レインボーブックスさんには、仕入れ(さすがです!)として2冊ご購入いただきまして光栄です。
石巻 まちの本棚に出店されていた羽島書店さんで成田亨作品集をチェックするつもりだったのですが、開店時間中にすっかり忘れていて立ち寄れず残念でした。見たら絶対買ってしまっただろうなぁ。
お店を並べた着物男子の書肆落花生さんからは、仙台の柳生和紙というステキな手すき和紙の葉書と一筆箋などを。東京からの助っ人さんのお2人も含め、いろいろお話できて楽しかったです。
この和紙も含め、合間に紙モノをいくつか購入。紙モノにも弱いんです。
そしてタイムアップ。昨年と逆で、昼まで好調、午後は売れ行きが落ちた感じがします。結果39冊売れて17,200円の売り上げでした。
出店終了後、授賞式までの30分で、大好きな観慶丸本店さんのギャラリースペース、カンケイマルラボで出張ハンドドリップの珈琲で一服。
これまで、ギャラリーの会期中にあたったことが無かったので、初めて中に入りましたが、思いの外ステキな場所だったので感動しました。珈琲も美味しかった!
最後の表彰式では、3年連続出店ということで、ISHINOMAKI 2.0賞をいただきまして、心の準備をしていなかったので挨拶で気の利いたことが言えず、あとから考えると赤面です。うう。
翌日仕事でしたので、懇親会などには参加せずにそのままトンボ返り。でも今回も大変楽しく過ごすことができました。こうやって東京に戻って来て振り返ってみると、なんだか別世界の出来事のような不思議な気持ちになっています。
お立ちより下さった皆様、スタッフの皆様、今回もありがとうございました。
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