不忍ブックストリート2015 第17回 一箱古本市:「くものす洞」の1日。

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imageさて、一昨日の不忍ブックストリートの一箱古本市。翌日からはいつもの日常に戻りましたので、忘れないうちにもう一度振り返ってみたいと思います。

朝は、前回よりも2〜3割ほど増やした本を、一人で運べるのかどうかが不安で、少し早めに家を出ました。目的の根津駅そのものは、長年通った駅なのでよ〜く知っているんですけどね。

小田急から地下鉄千代田線への乗り換えはホームの向かい側に渡るだけですが、地下鉄車両とホームには若干の段差があるのですが、後ろ向きに引っ張りながら乗車して、勢いをつけて車内に引き込むスタイルで、うまく隙間を乗り越えることができました。昨年買ったタイヤの大きいカートのおかげです。

接続も良かったので、集合時間30分程前には根津駅に到着。エレベーターで地上に上がり、すぐにタナカホンヤさんに着いてしまいました。すでに同じ場所で出店される脳天松家さんは先に到着されておりました。もう1人の店主さん、ひな菊さんは少し遅れて到着。若さが出てますねぇ。妹さんが助っ人です。

image私はタナカホンヤさんの看板前、お隣の畳屋さん側にお店を広げることになりました。マスコットのしのばず君もずっと一緒。タナカホンヤさんの看板も自分の店の看板かのような雰囲気ですね。


全スポットの中で一番はじにあるので、ここからスタートする方が多く、スタート前30分ぐらいから人が集まり始めていました。大家さんのタナカさんの一声で時間通りスタート。最初は谷根千歩きのおばさまグループのみなさんが、江戸東京系の本を買って下さいました。

その後の印象深かったお客様をあげますと…

正直こんなの売れるかなと思ったけれど、理系の本棚と言ったからにはと、かっこつけで入れた旺文社「生物事典 四訂版」は早々に若い男性へ。どうしてこれを?と尋ねたら、生物には詳しいわけではないけれど、なんだか面白そうだったので…とのこと。若者にはこれを機会に生物の世界への関心を深めていただきたいものです。

私のイチオシの1つ、「スキマの植物図鑑」は、ちょっとした雑草の名前を知りたいという、街歩きのおじさまグループの1人に。グループで街歩きする中高年、意外と多いのですね。何を買ったんだよ…なんて、お仲間の皆さんと話がはずんでいました。楽しそう。

大作「トムキンスの冒険」を手に取った後、マンガ版の「トムキンスさん」にしていた女性。「ドミトリーともきんす」をお読みなのかと思ったら未読とのこと。是非あちらも読んでみて下さいね。

私も読むのを難儀した本家の「トムキンスの冒険」は、迷っていらっしゃった男性に、最初の物理話は難しいけれど、生物の話などは面白いですよと背中を押して、大幅値引きして買っていただきました。

今回の私のオススメ本の1つ、「クジラとともに生きる」と「ヘラジカの贈り物」は、セットで女性の方に買っていただきました。この2冊を一緒に選んでいただけるなんて、ナイスチョイス!今読んでいる本に出てきたヘラジカについて知りたかったそうです。どちらも生態というよりも、狩猟文化のフィールドワークの本なのだけれど、本来の人と動物の関係を考え直させられる一冊、いや二冊です。別の世界が広がりますよ!

そうそう、いつも必ず聞かれる「どうして『くものす洞』なのですか?」という質問に、いつものように、単純に蜘蛛が好きなのです…とお話ししていたところ、それを聞いていた本をお買い上げいただいたばかりの女性から「私も蜘蛛が好きなんです」と声をかけていただきました。そんな彼女には、最近のクモ本の中でピカイチのこちらをオススメしました。今回の箱にも入れられると良かったのですが…。

月刊たくさんのふしぎ2015年3月号「クモと糸」:児童書という網点の良書 - now and then

一番たくさん買っていただいたのがますく堂さん。私の箱も気に入っていただいたとのことで「ますく堂賞(実際はそのような賞はありませんが)決まりですよ」とまで言っていただきました。うれしかったです、ありがとうございます。

タナカホンヤのタナカさんが開店前から気になるとおっしゃっていた「英文タイプの打ち方」という60年前の古い教則本は、スーツ姿の男性に売れました。「すごい貴重ですよぉ」と感激されているご様子。スーツを着ていらしたので、新聞記者の方かなにかだろうかと思いましたが、校正のお仕事をされている方でした。お仕事の参考になれば幸いであります。

そういえば、大家さんのタナカさん、お隣の畳屋さんが出てくると、深々(角度でいえば110°ぐらい?)と頭を下げてご挨拶していたのが印象的です。お隣だけでなくご近所方々が皆、イベントで多少騒がしくなっても快く見守って下さっているご様子で、いつも良いご近所付き合いをされているのだろうなぁ…と感心しておりました。

そのタナカホンヤさんは、今回のこのイベントのスタンプラリーのゴールの1つでした。12時すぎには最初のコンプリの方が現れ、3時頃には景品の手裏剣クッキーが無くなってしまい、急きょ昨年の景品を追加。最後はそれも無くなってしまったりと助っ人さんたちも大奮闘されていました。

景品が無くなってしまった後、助っ人さん景品がもう無くなってしまったことをおわびすると、どの方も気持ちよく「いいですよ、大丈夫です」とおっしゃって下さっていて、参加している方々みなさんやさしいのでびっくりしました。ホントに良いイベントですねぇ。

なかなか売れなかった一番大きな本「百年前の日本 モースコレクション(写真編)」は、最後のほうにやっと売れました。手に取る方もいらっしゃらなかったので、売れ残るかなと思っていたモノ。どうやらコースを一巡りして最後に滑り込みでもう一度来てくれたようなご様子。

そんなことで、スタート地点でもあり、ゴール地点でもあるということで、おなじスポットの他の店主さん含めてかと思いますが、ラスト30分でもかなり売れまして、このあたりはコースの端(ゴール?)のスポットでの出店者には、今回の1時間延長が幸いしたのではないかと思いました。中にはすでにたくさん買いすぎて、ゴール付近ではもう買えませんというかたもいらっしゃいましたけどね。

ということで、他のお店に行ってみるような間もないまま、あれよあれよという間に5時になってしまいました。

バタバタと撤収し、表彰式までの短い時間で、30冊ほど売れ残ってそれなりの重量のあるカートを引っ張って特急で往来堂に行き、ナンダロウさんの新刊を買い、表彰会場の不忍通りふれあい館へ。

エレベーターでお会いした「多摩や」さんが同じカートをお持ちだったので声をかけましたら、私の昨年のブログで見かけて購入したとのこと、お役に立てて光栄です。エレベーターの中でも話題にしましたが、ほんと、タイヤが大きくて転がしやすくていいですよ。今回は前回よりも重量が増えましたがしっかり働いてくれました。

山善(の折りたたみ式ハンドキャリー GT-50W…間に合いました。 - now and then

ちなみに、今回の準備のための追加購入品は、このキャリー用の荷物用ゴム。近所の荒物屋さんにて890円でした。

最後の表彰式では、「英文タイプの打ち方」がきっかけででタナカホンヤ賞をいただきまして、昨年の「てくり賞」に引き続いての受賞で大変恐縮しております。人前では気の利いたことも言えず、いつも自己嫌悪に陥ります。本当にお恥ずかしい限りです。

今回はちょうど70冊、38,100円売れました。比較的単行本が多かったので、毎度ながらずいぶん値引きをしましたけれど、昨年より金額が増えました。今回はまだネパール地震への義援金を送っていませんでしたので、この売上から送金することにしたいと思います。

さて今回は、石巻の一箱古本市で出会った方々にずいぶん声をかけていただきました。みなさまありがとうございます。これまで毎年というわけには行きませんでしたが、何とか仕事の合間や、休暇を取って、買う側として何度か訪れていたこの不忍の一箱古本市が、石巻とつながることになるとは思いもしませんでした。なんだか不思議な感じです。

そんなこんなで、今年もまた私自身が大いに楽しませていただきました!いつもそうなのですが、なんだか1日限りの別世界に行ってきたような気持ちになります。(余韻に浸る暇がなかったからですが…)

来て下さった方、スタッフの皆様、おなじスポットにお店を出した脳天松家さん、ひな菊さん、大家さんのタナカホンヤさん、本当にありがとうございました。

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くものす洞さま 

こんにちは! エンパブリックの矢部といいます! 不躾に申し訳ありません。

今度、文京区で、ナンダロウアヤシゲさんをゲストにお招きしたイベントを実施します。私はこちらのイベントの事務局をしています。
http://bunkyo-sip.jp/?p=2624

街で活動してみよう!というのがテーマの会なのです。もしよろしければ、こちらの会にご参加頂き、一箱古本市の面白さ、なぜ参加されているのかを3分くらいの短い時間となってしまうかもしれませんが、お聞かせいただけないでしょうか。

もし、ご参加いただけるようでしたら、お手数ですが私にメールをいただけますでしょうか。本当に不躾に申し訳ありません。よろしくお願いいたします!!

*私も「たくさんのふしぎ」大好きです。子どもによく読みきかせました~ 久しぶりにその響きをきいて、すごく懐かしいです。我が家の押入れに眠ってるんじゃないでしょうか。

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このページは、raizoが2015年5月 5日に書いたブログ記事です。

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