2017年:私の3冊。

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毎年恒例、私の3冊を選んでみました。

ベスト1はやはりこちらかな。分厚い本でしたので達成感があった上、とにかく印象が強烈でした。まず予習として「死の棘」も読みましたが、「死の棘」も強烈な小説だけれど、この本で興味深かったのはその話の舞台裏というよりも、「死の棘」に至るまでのミホさんの生い立ち...ですかねぇ。そこは著者の梯の取材によるところが大きいと思います。本の厚みにめげず、頑張って読む価値ありです。

ちなみにこれは幸福書房さんで購入。いつもお店で見ていてずっと気になっていたのだけれど表紙のミホさんの写真が怖くて、ずっと購入をためらっていたのですが、あちこちで話題になっていましたし、意を決して買いました。

梯久美子「狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ」 - now and then

私の「子どもの本」マイブームのきっかけになった本。以前から気になっていた瀬田貞二さんの評伝です。子ども本のこと、子どもたちに対する思い、「ことば」の選び方などにも感銘を受けましたし、瀬田さんのお人柄も忍ばれました。指輪物語ファンなものですから、欲を言えば、そういった翻訳の話もあったらよかったなあと思いました。

この後、かこさとしさんの関連本も立て続けに読むことになり、また違った角度から子どもの本を考えることになりました。

荒木田隆子「子どもの本のよあけ 瀬田貞二伝」:今の時代にこそこんな方がいてくださったら... 子どもの本のよあけ 瀬田貞二伝」 - now and then

こちらはジャケ借りしたところ、思いのほか良かった本。装丁にピピッと来たというのでしょうか。大工道具には全く縁が無かったけれど、鑿が1本欲しくなってくるぐらいでした。刃物作りだけでなく、全国の様々な職人さんを応援したい気持ちでいっぱいです。

土田昇「職人の近代―道具鍛冶千代鶴是秀の変容」道具鍛治の世界を知る。 - now and then

以上でありますが、今年は理系本が入っていないといことで次点はこちら。

「カンブリア紀の爆発」は「眼の誕生」にあるという学説のお話。実は古生物学は苦手なのだけれど、それでも面白く読めました。

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さて今年は東京から石巻にUターンしてきたということで、買った本と借りた本が同じぐらいの比率になりました。石巻市立図書館や石巻まちの本棚で借りています。

地元本屋さんに私の好みのジャンルの本があまり無い一方、石巻市立図書館に思わぬ新刊本が入っていたりするのです。少なくとも、世田谷の代田や梅ヶ丘の図書館よりは良い本(私にとってですが)が入ってます。司書さんありがとう。なので自腹であれば絶対買わない本にも手を出すことが増えました。それもまた楽し...です。

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このページは、raizoが2017年12月23日に書いたブログ記事です。

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