岩楯幸雄「幸福書房の四十年 ピカピカの本屋でなくちゃ!」最後の1日のフリペ付き。

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幸福書房の四十年先月2月20日に閉店になった、東京の代々木上原の本屋さん、幸福書房さんの本を仙台でやっと買うことができました。うれしいけど悲しいですねぇ。

「幸福書房最後の1日」のフリーペーパー付きで、最後の1日に駆けつけられなかった身としてはありがたし。

幸福書房の四十年 ピカピカの本屋でなくちゃ! | 左右社


何度も何度も言っていますが、とにかく東京で一番好きな本屋さんで、上原が通勤定期区間でなくなったあとも、最寄り駅から3つ先の代々木上原にわざわざ行って本を買っていました。新宿方面から帰る途中下車したり、渋谷からの帰りにわざわざハチ公バス(100円のコミュニティーバス)に乗って寄り道したり。

このブログでも幾度となく登場しています…。

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あらためて、あぁ、あの本も幸福書房で買ったんだっけと自分で少しびっくり。「読みたい本がある」というのはホントの話で(人によるとは思いますが)、なにか面白そうな本があるかもしれないと思うと素通りせずにはいられない本屋さんでした。

そんな幸福書房の40年間を、店長だった岩楯幸雄さんが語ったこの本。これまでの書店経営の話が中心で、ここ数年は本当にお店が大変だったことがストレートに書かれています。しかもお店はお正月以外の年間364日、朝8時から夜の23時まで開いていました。交替でお店番をしていたとはいえ頭が下がります。長い間お疲れさまでした。

私が東京から引っ越すちょっと前に、みすず書房の本が並ぶ位置が変わりました。私は時々みすずの本を買っていたので、わざわざ棚の位置が変わったことを教えてくださったのですが、それは万引き被害があってのことだったことをこの本を読んで知りました。ひどいことするなぁ。高値のつく本を狙うプロだそうですよ。amazonで売るんでしょうね。ここでもamazon悪か…。

東京に住んでいるときは、amazonではモノは買うけれど本は買わないようにして、本はできるだけ本屋さんで買うようにしていました。特に無くなっては困る幸福書房で。そのほうが選んでいる時間、買って帰る時間も含めて楽しいですしね。

幸福書房の四十年この本、カバーを外すと、かつての幸福書房さんのブックカバー柄の装丁になっています。洒落が効いていますね。昔の幸福書房さんのブックカバー、まだ持ってますよ。いま数えたら6枚ありました。このカバーをやめた理由も本に書かれていて、良い紙を使いすぎてコストが高かったのだそうです。確かに紙がしっかりしていて、私も別な本にまたこのカバーを使い回して何度も使いましたもの。

本屋さんの経営がとても大変だっだけれど、本屋さんであることは楽しかったとおっしゃる岩楯さん。この本の最後には、椎名町のトキワ荘の近くでブックカフェを開きたいと思っているという話が出てきます。私が東京から引っ越す際に、幸福書房で最後の買い物をしてご挨拶をした1年前にもちょっとそんなお話をされていて、上京したときはトキワ荘のほうに寄ってみて下さいとお話されていたのですが、もうその時は決めていらしたのですね。

そういえば石巻もトキワ荘とはあながち縁がないとは言えない場所(石ノ森萬画館にはトキワ荘の模型アリ)です。いつかブックカフェができたら、東京に遊びに行きたいと思います。

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このページは、raizoが2018年3月 8日に書いたブログ記事です。

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