Booksのブログ記事 10 / 115
    
    




 

ベストセラーなのでどうしようかと思った(ベストセラーは読んでみると通俗的でつまらなかったりするので)けれど、興味あるところなので読んでみました。結果...読んで良かったです。

まずつかみで...人間がサバンナで狩猟と採集によって暮らしていたころから現在まで1万年ほどの間、人間の脳はほとんど変化していないから、現代社会を生きる上ではミスマッチが起きている...という説明で納得です。これでなんとなく信用できるかも、という気持ちになりました。





小学校の図書館で、ポプラ社の名探偵ホームズ全集に出会ってから、プチ・シャーロキアンです。そのわりには正典は高校の頃に文庫で全部読んだきり。

今年は、1年かけて文庫でもう一度シャーロック・ホームズを読むことにしました。今年の目標であります。





愉快のしるし神奈川県の葉山にある「SUNSHINE+CLOUD」というショップのカタログのために、永井宏さんが綴たった956の短い文章が詰まった本です。1つ1つの文は短いけれど、数が多いので496ページもあります。でもそんなページ数は全く感じさせないコンパクトな素敵な装幀。

永井宏さんと『愉快のしるし』のこと | 草日誌 | 信陽堂編集室

帯文に「友人のような言葉」とある通り、永井さんが読み手に話しかけてくれているような言葉が並びます。





毎年恒例今年の私の3冊はこちらでございます。

絵本作家である著者の甲斐さんの観察ぶりもさすがでしたが、それ以上に、甲斐さん、アシナガバチ、そして「おかあ」との交流がとても良かった。ハチの話も面白かったし。あまり話題になっていないのが残念です。

甲斐信枝「あしなが蜂と暮らした夏」:ハチとの一夏を一緒に過ごした気持ちになりました。 - now and then

買ってから積ん読にしていたのですが、一念発起して読んでみたらエラく面白かった。評伝というジャンルがそもそも好きなのですが、とうようさんと自分の音楽の音楽歴が若干クロスしていたということもあるのかもしれません。とうようさんって怖そうだなと食わず嫌いでしたが、あらためて日本の音楽界に大きな影響を与えた人だったのだなと感心したのでした。

田中勝則「中村とうよう 音楽評論家の時代」600ページ近くでも苦にならず。 - now and then

これは多少評判を聞いていて読んだもの。比較的最近起きた本当の話だというのがなによりびっくり。鳥の絶滅種という自然科学的側面、そこまでにいたる原因となった人間の身勝手な趣味、そして行きすぎたマニア達と金(かね)。博物館と標本の意義...などなど、いろんな角度で面白さが発揮されていた気がしました。

カーク・ウォレス・ジョンソン「大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件」:マニアの世界に驚愕。 - now and then

あいかわらず小説色全く無しですね。今年前半は庄野潤三を立て続けに読んでいたのですが、遠い昔のような気がしてきました。

今年私が一番人に勧めたのはこちらかな...

大阿久佳乃「のどがかわいた」(岬書店):自分の思いを表現する才能。 - now and then

来年はもっとゆっくりたくさん本が読みたいです。




夏葉社代表、島田潤一郎さん自らの著書の新刊は「父と子の絆」。お父さんとして2人のお子さんとの日々を綴った本です。



表紙「ブックオフ大学ぶらぶら学部」は、昨年夏葉社の島田さんの別レーベル「岬書店」から出された本でした。発売後早々に売り切れてしまったそうですが、このたび夏葉社の本として見事昇格!ISBNがついて本屋さん流通バージョンとして新装版が発売となりました。




都会なんて夢ばかり夏葉社の島田さんの別レーベル岬書店の新刊は、世田谷ピンポンズさんの自伝的エッセイ「都会なんて夢ばかり」。なんと6曲入りのCD「世田谷e.p.」がもれなく付いてきます。1,300円+税でこれはお買い得だなぁ。


世田谷ピンポンズさん、下北沢の古書ビビビさんで時々店内ライブをされていて、古書店でよくライブをやっているフォークシンガーの方というのは知っていましたが、私自身があまりフォーク系に興味が薄かったということもあり、実はほとんど曲を聴いたことがなかったのでした。ごめんなさい。

とはいえ、どんな本なのかとにかく待ちきれなかったので、買ってきて家に帰って即読み始めました。




(今日は文語体で)
この本が石巻市図書館に入っていたことにまず驚いた。なにしろ玉電松原って完全に東京の話である。坪内さんだから...ということだったのか。この図書館は「本の本」が密かに充実しているのだ。



図書館で見つけた本。出たばかりの本でしたが、この本ことは全然知りませんでした。

まず「あしなが蜂」というタイトルが目に入ったのですが、著者をみると絵本画家の甲斐信枝さんでした。甲斐さんは、ざっそうをていねいに描いた絵本がロングセラーですが、そのほかにも自然をスケッチして描いた絵本をたくさん出されています。

タイトルの通り、青虫を餌とするセグロアシナガバチをひと夏観察したお話です。
本の最初の何ページかがカラーで、甲斐さんのスケッチが何枚か載っているのですが、本文中には一切写真もスケッチもありません。

いつも身近な自然を観察している甲斐さんが、青虫の、狩りをするセグロアシナガバチに出会い、その巣がたくさんある納屋をみつけ、通って観察させてもらうことになります。

昆虫の専門家の観察記ではないですから、かえって描写が甲斐さんのスケッチのように細かくていきいきとしてわかりやすく、目の前にハチたちが浮かんでくるようでした。

ハチたちとの交流(?)に加え、この納屋のあるお宅のおばあちゃん「おかあ」との交流も楽しく、それもまたこのお話の楽しさにもなっています。なにしろ納屋に蜂の巣がたくさんあるわけですから、そもそも昆虫には寛容なお宅なのですが、お話の中のエピソードからは、長い間自然と向き合って生活してきたことがうかがわれます。

ひと夏を通してアシナガバチを観察した甲斐さん。最後は自分でハチの幼虫を育て、そしておかあとも親交も終わります。

あとがきを読むと、40年以上前のことなのだそうです。おかあみたいな方はもう今はなかなかいらっしゃらないでしょうねぇ。思いもかけず甲斐さんとアシナガバチたちとおかあの素敵なお話を読ませてもらうことになりました。私的に星5つです!





本日の図書館での3冊
積読の山が減らないので、今日は借りないぞ...と思いながら返却本を持っていくと、結局つい借りてしまう石巻市立図書館。

先日はこの3冊。坪内祐三「玉電松原物語」荻原魚雷「中年の本棚」甲斐信枝「あしなが蜂と暮らした夏」どれも市内の本屋さんには並ばない本ばかり。こういう選書の本屋さんがあったら買うのにな...と思いながら借りております。

荻原魚雷さんの「中年の本棚」は読みたいと思っていたものでしたが、他の2冊はどちらも出たばかりで図書館で出会って初めて知った本。世田谷の梅ヶ丘や代田の図書館には時々行きましたが、借りたい本が全然なくて困るぐらいでしたので、ここの図書館の選書はほんとにうれしいです。建物が古くて狭いから軽視されがちなんですが、ほんと多賀城のツタヤ図書館よりも楽しいです。


 




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